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【ネタバレなし】「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」のあらすじ・感想。マーゴット・ロビーの顔力がスゴい【女性による女性のための映画】

「バットマン」に登場する女性ヴィランを主役にしたスピンオフ作品、
「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」
を観ました!

まさに"実写版アメコミ"と呼ぶべき前半の映像は楽しかったですが、
中盤以降急激に失速してしまった感じがありました。

10点満点中5点

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」の予告編・あらすじ

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バットマンの宿敵・ジョーカーの交際相手であるハーレイ・クイン。
しかしジョーカーと破局後は中華料理屋の2階に引きこもり、
毎晩飲み歩く自堕落な生活を送っていた。

ある夜、ハーレイ・クインは酔った勢いで
化学プラントにタンクローリーを突っ込ませて爆破してしまい、
ゴッサム市警のレニー刑事から追われる立場になる。

ところがふとしたきっかけから、
巨額の資産にまつわる情報が刻まれた
ダイアモンドを巡るマフィアの争いに
巻き込まれていき……


「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」の登場人物・キャスト

ハーレイ・クイン: マーゴット・ロビー
ハントレス: メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ブラックキャナリー: ジャーニー・スモレット=ベル
レニー・モントーヤ刑事: ロージー・ペレス
ブラックマスク: ユアン・マクレガー

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」のネタバレなし感想

まさに"実写版アメコミ"な前半部分はかなり楽しい

ま〜 主演のマーゴット・ロビーの顔力がすごいっすね!!!

この人の顔とアメコミの相性が良すぎる。
なぜ今までアメコミ映画に出てこなかったのかが不思議。

口角を上げてにやりと笑った顔のドアップは、
まさに女版ジョーカーといったおもむきです。

金髪ツインテールにカラフルな衣装も
ばっちり似合っていて、
マーゴット・ロビーを眺めてるだけでも楽しい。

2017年に主演した「アイ・トーニャ」の演技も最高だったしな〜! いい女優さんですわ

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しかも画面全体のコントラストや色使いを調整したり、
字幕で説明が入る演出を多用したりしてて、
実写なのにアメコミっぽく見えるようにできてるんです。

中島哲也監督の「下妻物語」「嫌われ松子の一生」に
ちょっと似てる感じもある。

映画前半部分のドライブ感は観てて気持ちいいです。

中盤以降は急にスピード感が落ちてしまう

ところが、映画の勢いは中盤以降とたんに失速します。

まず、今回の敵であるブラックマスクにあまり魅力がない。
生粋のサディストたる部分を見せてくれる場面はほんのわずかで、
ヴィランというよりただのギャングのボスって感じでした。

なので、対決の場面もあまり盛り上がらないんですよね〜。
ブラックマスク、大して見せ場もなくすぐいなくなっちゃうし。


せっかくユアン・マクレガーを起用したのにもったいない


あとは、映画の構成そのものもわかりにくいです。
この映画、中盤から時系列がバラバラに語られていくんですよ。

ハーレイ・クインが"ある行動"を起こす。
でもその理由が観客にはわからない。

で、時間が巻き戻って行動の背景が語られ、
さらにほかの登場人物の話が始まって、
一通り終わったところでもとの場面に戻る。

みたいな感じ。

なるべく難しくならず、ポップに観られるような工夫はされていますが、
手法としてはあまり成功していないように思えました。

映画冒頭から30分くらいまでの世界観や画面づくりが
けっこう面白かっただけに、もったいない感じがしましたね。

「男はみんなバカ」という価値観が丸出し

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」に流れているテーマは
男性支配からの解放だと表現できます。

ハーレイ・クインはジョーカーとの失恋から、
ブラックキャナリーは男性社会であるナイトクラブから、
レニー刑事もまた男性優位の警察組織から、

それぞれ自由になって羽ばたいていく。
そんなお話になっています。

まぁそれ自体はいいんですけど、
男はみんなバカだしすぐ裏切るという
男性嫌悪とも取れる価値観があまりに露骨で引いてしまいました。

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」は、とにかく女性が活躍する映画です。
登場人物はもちろんのこと、
監督はアジア系女性のキャシー・ヤン、
脚本は「バンブルビー」を手掛けたクリスティーナ・ハドソンと、
主要スタッフもすべて女性で固められています。

女性のエンパワーメントを題材にするのはいいとしても、
男性をあからさまに見下して描くのは
ちょっと違うんじゃないの?と思いましたね。


男女がデートで見に行くには向かない映画かも


「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」は、
2020年3月20日より公開です。
wwws.warnerbros.co.jp

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