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【無料あり】奇才ウェス・アンダーソン監督映画おすすめ度ランキング!

ほかに類を見ない独特のセンスで人気の映画監督、ウェス・アンダーソン
左右対称にこだわった画面、絶妙にハズしたBGM選曲など、一度観たら絶対に忘れられないその作風は、映画ファンから絶大な支持を受けています。

今回は、これまで劇場公開されたウェス・アンダーソン監督作品をランキング形式で紹介します!
あなたのお気に入りの一本を探すお役に立てればうれしいです。

それではいってみましょ〜!

観て損はない3作品

第6位「ファンタスティック Mr.FOX」

お父さんキツネのMr.フォックスは、動物の新聞社でコラムを書いて生計を立てている。
妻と子供にも恵まれて幸せな生活を送っていたが、人間からモノを盗んで暮らしていた刺激的な過去を忘れられずにいた。

そんなある日農場の近くに引っ越したことがきっかけとなり、Mr.フォックスは久しぶりに盗みに手を染めてしまう。
これがきっかけとなり、怒り狂った人間たちと、森の動物達の全面戦争が始まる!

おすすめ度: ★★★☆☆

ウェス・アンダーソンにとって初となるアニメーション作品!
精緻に作られた人形によるストップモーションで撮影されており、動物たちの細かい動きを堪能できます。

肝心のストーリーは、スーツにネクタイと人間そのものの格好をした動物が、身勝手な理由で人間にケンカを売るというナンセンス活劇。
「家族を持って丸くなってしまった中年男が、ヤンチャしていた昔を取り戻す」話の展開には思わず胸を熱くする人も多いでしょう。

Mr.フォックスの声を演じたジョージ・クルーニーの洒脱な演技もあいまって「ルパン三世」みたいな雰囲気がありますね。
アニメ作品なので取っつきやすく、ウェス・アンダーソン入門編としてもオススメの一本です。

関連▶ 【後半ネタバレ】映画「犬ヶ島」のあらすじ・感想・考察。なぜ日本が舞台なのかを徹底解説! - モヤシネマ
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第5位「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」



テネンバウムズ家の三兄弟はみな天才ばかり。
長男はビジネスマン、養子の長女は劇作家、次男はテニスプレイヤーとして名を馳せる。
ところが20年後、家族はみなバラバラになり、かつての天才たちも何かしらの悩みを抱えていた。

ある日突然、長年音信不通だった父親のロイヤルが実家に戻ってくる。
胃がんで余命6週間だという彼の提案のもと、家族はふたたび一緒に暮らし始めるのだが……

おすすめ度: ★★★★☆

「家族の崩壊と再生」という、ウェス・アンダーソン作品に繰り返し表れるモチーフを真っ正面から描いた映画!

主人公である一家の父・ロイヤルは、天才家族にはどうも似つかわしくない、極めていい加減な人物。
法律家としてはそこそこ優秀ではあったようですが、長男の資産を横取りしようとして告訴され免許を剥奪されたという、めちゃくちゃな経歴の持ち主です。

ウェス・アンダーソンが「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」で表現したかったのは、家族なんて所詮ええかげんなもんやぞということなんじゃないかと思います。

いくら血がつながっていたって、憎みあったり裏切ったりもする。
家族であったとしても、血がつながっていなければ禁断の恋に落ちちゃったりする。
たまたま向かいに住んでるだけの幼馴染でも、いつの間にか家族同然になっちゃったりもするのです。

細かいことは気にせずゆるやかに繋がりあって、ときどき嫌になったとしても、また気が向いたときに戻ってくればいい。
観たあとに心が暖かくなる、ちょっと不思議な家族ドラマです。



第4位「ダージリン急行」


バイク事故で瀕死の重傷を負った長男・フランシス。
妊娠中の妻との離婚を考えている次男・ピーター。
元カノが忘れられない、小説家の三男・ジャック。


それぞれに傷を抱えた三兄弟は、インドを走る列車「ダージリン急行」に乗って"精神の旅"に出る……

おすすめ度: ★★★★☆

電車にガタゴト揺られているような、心地よいゆるさがクセになるロードムービー!

筋があるようでないような不思議な味わいの作品ですが、「電車」=「人生」、「重い荷物」=「過去」という単純な比喩に置き換えてみると構造がとらえやすいです。

人生の行き先を見失った三兄弟は、亡き父親が遺した大量のカバンとともに列車の旅に出る。
この旅を終えればきっと希望ある未来が見えてくるはず……と思いきや、列車が迷子になってしまうという超展開。

レールの上を進んでいるのにレールを外れるなんてそんなのありかよ!

……でも、人生ってそんなもんですよね〜。
決まった道の上をしっかり進んでいたつもりでも、なぜだか変な方向に進んでしまう。

最後は自分たちで行き先を決めるしかないのですよ。
三兄弟のように、今の人生になんとも言えないもやもやを抱えている人にぜひ観ていただきたいですね。

ややくすんだターコイズブルーを基調とした画面の色使いも印象に残る一本です!


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時間があったら観ればいい3作品

ここからの3作品は、僕が個人的にどうしても好きになれない、または無理して観る必要はないかな〜と思っているモノです。
「ウェス・アンダーソンの映画なら全部観たい!」という人でなければスルーしてよいと思います。

第9位「天才マックスの世界」


名門私立学校・ラシュモア学園に通うマックスは、勉強よりも部活動に一生懸命すぎるあまり退学寸前。

ある日、新任教師のクロス先生に一目惚れし、あの手この手で必死にアプローチをしかけまくる。
ところがいつしか、"親友"で学園理事の中年男・ハーマンとクロス先生をめぐって恋のライバル関係になってしまう。

おすすめ度: ★★☆☆☆

「ふざけんな! なんでこれが最下位なんだ!!」という怒りの声が各方面から聞こえてきそうですが……
僕個人の勝手な感想ということでご勘弁ください。

「天才マックスの世界」は、ウェス・アンダーソン監督の作風が確立した最初の映画として各方面から絶賛されている作品です。
左右対称の画面構成、やたらとポップな配色といった画作りの面ではもちろんのこと、「歳の離れた男の友情」「家族内の問題」などのシナリオにおける定番モチーフも、この作品で初めて登場します。

でもね〜
全編通して、主人公マックスの行動がひたすら気持ち悪いんですよ。

この映画をひとことで表すと「中学生が美人女教師にストーカーする話」だからね。
ギャグで終わらせるのはどうかと思うくらい常軌を逸していて笑えない。
真夜中に女性の自宅の部屋に入ってくるとか、どう考えても頭おかしいやろ……

ファンなら教養として観ておくのはアリだけど、とても万人にはオススメできませんな。

関連▶【ネタバレ】「天才マックスの世界」のあらすじ・感想。男にとって都合のいいおとぎ話 - モヤシネマ
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第8位「ライフ・アクアティック」

著名な海洋学者でありドキュメンタリー監督でもある、スティーブ・ズィスー。
世界中から集まったクルーたちとともに海を巡り、珍しい生物たちの姿をフィルムに収め続けてきた。

ところが最新作の撮影中、長年の相棒であったダイバーが「ジャガーザメ」なる謎の生物に襲われ、命を落としてしまう。
そのうえジャガーザメの撮影にも失敗し、彼の評判は散々なことに。

相棒のかたきをうつため、また自身の名誉を取り戻すため、スティーブは再び海へと漕ぎ出していく……

おすすめ度: ★★★☆☆

親友を奪ったサメに復讐するため、大海原を冒険する男の物語!
……かと思いきやウェス・アンダーソン作品だけに、筆致がめちゃくちゃ軽くて全然冒険映画っぽくありません。

登場する海の生き物がすべて人形を使ったストップモーションアニメで表現されているので、おもちゃみたいなんですよ。
スティーブたちが乗り込む船「ベラフォンテ号」の内部も、真っ二つに切った模型を組んで撮影してるんで、リアルに見せる気なんかハナからないんですよね〜。
途中で海賊に襲われて銃撃戦になる場面もあるのに、アクションもどこか気が抜けてるというかマヌケというか。

BGMもブラジル人船員の奏でるボサノバがメインで使われていて、最初から最後までと〜っても軽い。
原宿で売ってるカラフルな綿あめみたいに、オシャレなものを食べた気にはなるけど、感想を語れと言われると急に困ってしまう。
そんな作品です。

どうせなら海の変な生物もっと出してほしかったなぁ……。

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第8位「アンソニーのハッピー・モーテル」

とある理由で精神を病んで入院していたアンソニー。
退院の日、彼はかつての相棒ディグナンに「強盗で一発当てようぜ」と誘われる。
運転手のボブとともに実行した本屋強盗は無事に成功。

その後、逃亡途中で立ち寄ったモーテルで、アンソニーは従業員のイネスに一目惚れ。
ボブのとんずらというトラブルに見舞われながらも仲間を増やし、兵器工場からの窃盗に挑む一行だったが……

おすすめ度: ★★★☆☆

ウェス・アンダーソンの商業映画第一作!
普通に笑えるコメディで悪い映画じゃないんですが、ウェス・アンダーソンならではの作風ができあがる前の作品なので低めの順位とさせていただきました。

仲間を集めての犯罪モノという王道のストーリー、しかし巻き起こるイベントは実に些細なものばかり。
クライマックスに至るまでは、小さなギャグの積み重ねで話が進行していきます。

が、そんな小さなスケールの話にもかかわらず、キャラもセリフもいちいち魅力的で、それが映画全体を引っ張る力にもなってるんですよね〜。

いいやつなんだけど空回り気味で、世の中では損しそうなタイプのアンソニー。
はたから見るとアホなのに自分では切れ者だと思ってるディグナン。
普通の人のようにうまく生きていけない人々への、やや皮肉的な目線が込められているように思います。

絶対に観てほしい3作品!

いよいよランキング上位の発表です!
時間を作ってでも観てほしい、第3位〜第1位を紹介します。
どれもハズレのない傑作ばかりですので、ぜひ一度チェックしてみてくださいませ!

第3位「グランド・ブダペスト・ホテル」


東ヨーロッパの旧ズブロフカ共和国にある、グランド・ブダペスト・ホテル。
1968年、このホテルを訪れたひとりの作家が、ホテルのオーナーである大富豪、ゼロ・ムスタファに出会う。
大富豪でありながら、使用人用の狭い部屋に泊まり続けるゼロの素性に興味を持った作家は、彼の昔話を詳しく聞くこととなる。


時はさかのぼり1932年。
当時、ベルボーイとしてグランド・ブダペスト・ホテルに就職したばかりだったゼロは、伝説のコンシェルジュ・グスタフとともに奇妙な連続殺人事件へと巻き込まれていくのだった……

おすすめ度: ★★★★★

ウェス・アンダーソン作品の中でも、断トツで画面がおしゃれなのが「グランド・ブダペスト・ホテル」!
全面ピンクで彩られたお菓子みたいなホテルの外観をはじめとして、現実離れした風景がこれでもかと現れます。
映画を観ているというよりも、外国製の絵本を読んでいるような感覚になってきますね。

しかし、おしゃれな画面とは裏腹にストーリーはなかなか硬派。
無実の罪を着せられたコンシェルジュと彼を慕うベルボーイが、自らの名誉を取り戻すため強敵に立ち向かう。

警察から逃げ、刑務所から脱獄し、雪山を滑走しての大冒険。
が、その先に待ち受けていた運命とは……。

観たあとはちょっぴり寂しい気持ちになってしまう作品なので第3位としました。
それでも、自分の正しさを信じて生きることの素晴らしさを教えてくれる素敵な作品です。
とにかく情報量が多いので、2回以上観るのがオススメですよ。

第2位「ムーンライズ・キングダム」


1965年、ニューイングランド沖の小さな島で、ボーイスカウトの少年がキャンプから脱走する。
彼は1年前に教会で出会った少女と恋に落ち、ともに駆け落ちの計画を立てていたのだ。

ふたりの失踪に気づいた大人たちはパニック!
島の警官、ボーイスカウトの隊長、少女の両親らが血眼になって彼らを探しはじめる。
奇妙な愛の逃避行のゆくえはいかに?

おすすめ度: ★★★★★

ウェス・アンダーソン流の直球ラブストーリー!

しかしやっぱり一癖ありまして、性に目覚めたばかりの中学生カップルの駆け落ちという、かなりギリギリを攻めたお話です。
ヒロインのスージーが男の子に胸を触らせるシーンとか、見てるこっちがドキドキするわ!

スージーを演じたカーラ・ヘイワードは当時14歳で、なんとこれが映画デビュー作。
大好きな彼氏と一緒にいるときですら感情を表に出さない、淡々とした演技が実に印象に残ります。

カメラが建物内を縦横に動き回る冒頭のシーンや、やたらと目立つ登場人物の服装などの影響で、映画全体が巨大な人形劇にも見えてくるのが不思議。
劇中でも子どもたちが動物の格好をして「ノアの箱舟」のお芝居をする場面があるので、人形劇的な作りは意識してたのかもしれませんね。

ウェス・アンダーソンの映画には珍しく、散りばめられた伏線をことごとく回収してクライマックスに向かうわかりやすいシナリオ。
最初の一本として観るのにもおすすめです!


第1位「犬ヶ島」

舞台は近未来の日本、メガ崎市。
この街では犬を感染源とする「ドッグ病」なる伝染病が流行し、社会問題となっていた。
メガ崎市の小林市長は、これに対処するためすべての犬をゴミの埋立地(=犬ヶ島)に隔離することを決定。
人間と犬がともに暮らすことはできなくなってしまった……


それから数カ月後。
小林市長の養子である少年・アタリは、彼の飼い犬・スポッツを探して単身犬ヶ島に上陸する。
そこで出会った犬たちの助けを借りて、スポッツを探す旅が始まった!

おすすめ度: ★★★★★

ウェス・アンダーソン監督としては2作目となるアニメーション作品!
ちょっと不気味な近未来の日本で、犬と少年の冒険が繰り広げられます。
和太鼓や歌舞伎、寿司を握る職人の指さばきなども、人形アニメになるとまるでファンタジー世界のように見えてくるから不思議ですね。

人間の言葉が通じない犬たちとの交流を通して「コミュニケーション」の本質を描いた一本です。
監督が伝えたかったメッセージは、映画の中で日本語が英語に翻訳されるときのルールに注目してみるとわかります。
一度目は普通に、二度目は人間の言葉(=日本語)のわからない犬の視点で鑑賞するのがオススメ。

また「犬ヶ島」は、日本を代表する映画監督・黒澤明に捧げられたオマージュの塊なのです!
「七人の侍」のメインテーマが何度も流れるほか、映像やキャラの造形に至るまで黒澤映画の影響がそこかしこに見られます。
映画ファンにとっては、"隠れクロサワ"を探すのもおもしろいですよ〜。

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