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【ネタバレ無し】映画「COLD WAR あの歌、2つの心」の感想。華麗な音楽で語られる男女の"冷戦"!

カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したポーランド映画「COLD WAR あの歌、2つの心」を鑑賞してきました!

2015年のアカデミー外国語映画賞を受賞した「イーダ」で知られる監督、パヴェウ・パヴリコフスキの最新作です。
各地で激賞されているこの映画、どんな中身だったのか?
ネタバレ無しで感想を書いていきます。

10点満点中10点

「COLD WAR あの歌、2つの心」のあらすじ・基本情報

【あらすじ】
第2次世界大戦直後のポーランド。
ウィクターが教官として勤める音楽学校の入学試験に、ズーラという少女がやってくる。
ほかの受験生とは異彩を放つ彼女にウィクターは惹かれ、やがて2人は男女の関係となる。
ところが、隣国ソビエトの影響が2人の関係に暗い影を落とし始めた。
共産党を称える音楽をレパートリーに加えよと要求してきたのだ。
これに反発したウィクターは、楽団のパリ公演を利用してズーラとともに亡命を決意するが……

【基本情報】
監督: パヴェウ・パウリコフスキー
出演: ヨハンナ・クリグ、トーマス・コット
上映時間: 85分

ネタバレなし感想。ジャズとマズルカの対比がとにかく印象的!

「コールド・ウォー」、とにかく音楽による語りが素晴らしいです!
東西に引き裂かれてしまったカップルの対立と和解を、それぞれを象徴する音楽でみごとに表現しています。

東側、社会主義陣営を象徴するのは、ポーランドの民族音楽であるマズルカ。
そして西側、資本主義陣営の象徴はジャズです。

これらの音楽が巧みに切り替わる瞬間、
僕ぁ心の中で「うっわーーーーー!!」と叫んでましたね。
全体的にすごく静かな映画なのに、脳内にはアドレナリンどばどばです。
ぜひとも劇場のいい音響の中で楽しんでほしい!
(日本では公開未定ですが……)

また注目してほしいのが、ヒロインのズーラを演じた ヨハンナ・クリグ
彼女は映画の中で、10代の少女から20代の大人の女性になるまでを演じてるんですが、これがどえらいカッコいいのですよ。
混乱した時代の中を生きる、芯の強い女性の姿を見せてくれています。
弱いところを見せまいとしながら、ふと緊張がゆるんだ瞬間に見せる無防備な表情もこれまたチャーミング。
一発でファンになってしまいました!

さらにびっくりしたことに……
ヨハンナ・クリグって今年で36歳なんですね。
うそでしょ!? なんであんなに瑞々しいのよ!?

おれより歳上だなんて信じられねぇ……

シナリオについても少し触れておきましょう。
東西冷戦を元にした恋愛ドラマというと、どうしても「本人たちの意思に反して生き別れてしまった男女」みたいな話を想像してしまいがちですよね。
僕もきっとそんなお話だろうと思ってたんですが、全然違いました!
2人が東西に引き裂かれた理由は、さり気ないながらも衝撃的なので……本編を楽しみにしててください。

上映時間が90分もない短い映画ながら、一度だけでは解釈しきれなかったシーンもいくつかありました。
機会があればもう一度観てみたいですね。

日本での公開は2019年6月とのことです!

↓最後に、予告編の動画を貼っておきますね ↓

www.youtube.com

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