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【ネタバレなし】「1917 命をかけた伝令」のあらすじ・感想。スゴい映像なのは認めるのだが……

第一世界大戦を舞台に、
2人の兵士に下された命令を
スリリングに描く話題作
「1917 命をかけた伝令」
を観ました!

ゴールデングローブ賞作品賞をはじめ
さまざまな賞レースを総なめにした
注目作なのですが……

ちょーっと僕には刺さりませんでした!
確かに映像はすごかったんだけどねぇ。

どのへんがイマイチだったのか、
ネタバレなしで解説していきます。

10点満点中6点

「1917 命をかけた伝令」の予告編・あらすじ

www.youtube.com

第一世界大戦真っ只中の1917年。
2人のイギリス兵、
スコフィールドとブレイクに
ある命令がくだされる。

「最前線にいる第二大隊に、作戦中止を伝達せよ。
期限は明朝までである」

第二大隊の行く手には
ドイツ軍が待ち伏せしており、
この伝令が失敗すれば
1600人の兵士が命を落としてしまう。

そしてその1600人の中には、
ブレイクの兄もいたのだった。

「1917 命をかけた伝令」の登場人物・キャスト

・スコフィールド上等兵: ジョージ・マッケイ
・ブレイク上等兵: ディーン・チャールズ・チャップマン
・スミス大尉: マーク・ストロング
・マッケンジー大佐: ベネディクト・カンバーバッチ
・エリンモア将軍: コリン・ファース


「1917 命をかけた伝令」のネタバレなし感想

冒頭で書いたとおり、
「1917」僕にはぜんぜん刺さりませんでした。

多分、期待が大きすぎたんだと思うんですよ。

これまでにない映像体験!みたいな宣伝を
めちゃくちゃされている映画なので、
かなりハードルを上げて見に行っちゃったのが
敗因なのかな〜と感じています。

「全編ワンカット」じゃないよね!?

もーねー、
一番文句言いたいのはここよ!

事前の宣伝でさんざん
「まるで全編ワンカット!」
と煽っていたくせに、
いざフタを開けてみたら

「あ、ここで切ったね」って
わかるシーンばっかり。

主演のジョージ・マッケイも
「(曇りのときを狙って)
5分間だけ撮影した」
って言っちゃってるしさ……

まぁ5分でも相当に長回しだけど。

ただ「全編ワンカット」なんて言われたら、
「カメラを止めるな!」みたいな
スリリングな映像体験を期待しちゃうでしょ
(しちゃうよね?)。


www.moyacinema.com


なんせ「カメラを止めるな!」は
前半37分間ワンショットですし。

「1917」では
最長何分ワンショットで撮ったのか
定かではありませんが、

途中で画面が暗転したり真っ白になったり
"切るタイミング"が見えちゃうと、
どうしても興ざめしちゃうところがあります。

「全編ワンカット」と
「全編ワンカット"のように見える"」じゃ
大きな違いがあるんだなって思いました。


期待するべきものが間違ってた気もするが、それでも俺が見たいのはこういう映画じゃなかったんじゃ〜。


音楽がうるさいし絵もファンタジックすぎ。「臨場感」とは?

「1917」の宣伝文句のひとつに
「まるで自分が戦場にいるかのような臨場感」
ってのがあります。

確かにカメラがずーっと
主人公のそばをついていくし、
カットもほとんどないので
大きく間違っちゃいない。

でもね、
ここぞってところで
やたら大げさな
オーケストラ音楽がかかるんで、

戦場から映画館に
引き戻されちゃうんですよ。


ドラマチックなBGM、そんなにいらなくね?


あとは市街戦のシーンがあるんですが、
荒廃した街の撮り方が
どうにもファンタジックすぎて、
拒否反応が出てしまいましたね……

影の動きを使って
地獄のような雰囲気を
演出していて、

すごく上手ではあるんだけど、
整いすぎてて没入感が薄かった。

戦争映画を見に来たのに、
「ロード・オブ・ザ・リング」か
「ハリー・ポッター」を
見せられてるような感じがしちゃいました。

メッセージがあまりにもありきたり。映像以外の魅力が薄い

で、結局「1917」が言いたいことは何だったんですかね?

殺し合いの虚しさ?
突然人が死ぬ恐怖?
戦場で家族を想う気持ち?

劇中に散りばめられた情報から
なんとか拾い上げようとしたものの、
実にありきたりなメッセージしか
見つかりませんでした。


戦争映画なんて山ほど作られてるんだから、せめて違った切り口を見せてくれよ〜。


たとえば大ヒットした
この世界の片隅に」は、

戦時中の広島で生き生きと
日常を暮らす人々の姿を描き、
悲劇一辺倒だった戦争映画というジャンルに
一石を投じましたよね。

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同じ戦闘を日米両方の視点から描いた
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戦争映画の革命だったと思います。

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映像の撮り方は確かにすごかった
「1917」ではありますが、

ラストシーン含めて
メッセージ性が低いので
満足度は低くなってしまいました。


字幕なしで見た自分の読解力不足だと思いたい

主役2人の演技は鬼気迫るものがあった!

ここまで散々けなしてきましたが、
主人公2人の演技はすっごくよかったです!

特にスコフィールド上等兵を演じた
ジョージ・マッケイの目がよかったね。

藤子・F・不二雄の
SF短編に出てきそうな、
まっすぐなんだけど
ちょっと狂気をはらんだ目。

序盤の少し気だるそうな雰囲気と、
映画中盤である"事件"が起きてからの
覚悟にあふれた表情のギャップもまたいい!

彼の表情のおかげで
2時間英語を見ていられた
といっても過言じゃないです。


ということで「1917」、
個人的にはイマイチでした。

最高峰の撮影技術と、
俳優の演技力に裏打ちされた
スゴい映像であるのは確かです!

でもスゴい映像だからといって
スゴい映画体験になるのかというと、
それはまた別の話。

事前の宣伝に踊らされた感じがあって、
なんだか残念でございました。

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