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【ネタバレ】「ギャラクシー街道」あらすじ・感想。下ネタだらけの寒いSF

今回は、
三谷幸喜監督が手がけた
初のSF映画
「ギャラクシー街道」
を取り上げます!




多種多彩な登場人物、
往年のSF映画や特撮のパロディなど
楽しい内容を期待させる予告編でしたが、

その中身は
ドン引きの下ネタと
笑えないギャグの詰め合わせ
でした……

10点満点中1点

「ギャラクシー街道」の予告編・あらすじ

西暦2265年。
スペースコロニー「うず潮」と
地球とを結ぶスペース幹線道路……
それが「ギャラクシー街道」。

そのわきにたたずむハンバーガーショップ
「サンドサンドバーガー・コスモ店」には、
今日も全宇宙から不思議な客が集まってくる。

銀河の片隅で巻き起こる、
ちょっと不思議な
スペースロマンティック・コメディ。

「ギャラクシー街道」のキャスト

・ノア: 香取慎吾
ハンバーガーショップの店主。
妻の浮気を疑っている。

・ノエ: 綾瀬はるか
ノアの妻。
トラブル続きの店を優しく切り盛りする。

・ハナ: 大竹しのぶ
ハンバーガーショップのパート店員。
常に愛想がなく、パニックになると電流を出して
あたりを停電させてしまう。

・レイ: 優香
ノアの元カノ。
頭から花が咲いている。

・メンデス: 遠藤憲一
宇宙リフォーム業者。
一方的にノエに好意を寄せている。
両性具有。

・ハトヤ: 小栗旬
警備隊の隊員。
正体は「キャプテンソックス」であり、
人知れず宇宙の平和を守っている。

・堂本博士: 西田敏行
高性能コンピューター。
ノアのよき相談相手。

「ギャラクシー街道」の感想。

わ……
笑えねぇ!!

「スペースロマンティック・コメディ」
を名乗っている割には、
「ギャラクシー街道」はギャグが滑りっぱなしです。

笑わせようとしているのはわかるけど
そもそもギャグの属性がズレてたり、
お話そのものについていけなかったり、
あとは見せ方に問題があったりして、
全然笑える作品になってないんですよ……。

笑えない下ネタが多すぎる!

三谷幸喜といえば
ファミリー向けで誰でも楽しめる
娯楽作品ってイメージが強いのではないでしょうか。

そのイメージに反して、
「ギャラクシー街道」は
異様なほど下ネタが多い。

しかも、
笑えるというより
ただただ下品なので、
不快感しか残らないんですよね……

小栗旬演じるハトヤ隊員が
トイレの個室で
「見てください……
どんどん大きくなりますよ……」
とささやくなんてのはまだいい方。

映画終盤には
ミラクルひかる演じる
宇宙コールガールの
エクスタシーを見せられるし
(どんな目で見ればいいんだ!)

極めつけは、遠藤憲一演じる
両性具有のエイリアン・メンデスですよ。

彼はノエに好意を寄せながらも
何度もフラレてしまうんですが、
(夫がいるんだから当たり前だ)

最後のお願いとして
額同士をくっつける"あいさつ"を
してほしいと頼むんですね。

特に断る理由がないので
ノエはそのとおりにするんですが、

実は額をくっつけるのは
メンデスの種族にとっての
「性交渉」だったんです。

その結果、見事にメンデスは妊娠!
彼そっくりの子供をたくさん産んだのでした。
めでたしめでたし😊

……ってなるかーーーい!
レイプだろそれ!!!

性についての表現が
かなりセンシティブになっている昨今、
なぜ下ネタ連発の映画を作ろうと思ったのか
たいへん謎なところではあります。


予告編が下ネタ連発に見えないからまたタチが悪い

登場人物の価値観が謎すぎる。感情移入できないよ!

「ギャラクシー街道」、
出てくるキャラクターの感覚が
みんなちょっとずつおかしいんです。

未来の話だから、
宇宙人の話だから……
と言ってしまえばそれまでだけど、
それにしても変。

たとえば主人公のノアは
ハンバーガーショップの店長なのに
カエル型宇宙人の客(西川貴教)を
「席がビショビショになるから入れるな!」
なんて言うんですよ。

ええ〜!?
この店は人種で客を選ぶのかい!?!?

ほかには、
明らかに接客のやる気ないのに
パートで働き続けるハナさんも謎だし、

しょっちゅう放電して停電を起こす
ハナさんを雇い続けるノアとノエも謎。

そこは、
よっぽどハナさんが役に立つ場面が
何かしらある!って設定にしないと
なんにも意味が通らなくないかな〜。

名作「古畑任三郎」で、
ダメダメな巡査・今泉くんを
古畑が最後まで手放さなかったときみたいな。

あとは、
ノアの相談相手だと思っていた
人工知能の堂本博士が
実は同じセリフしかしゃべらない
ただのボットだったことが判明する場面も怖い。

いやいやいや、
ボットに話を聞いてもらうって
確実に精神おかしくなっとるやろ!


病院に行こう

「昆布」のシーンの違和感がすごい。舞台的な感覚を映画に持ち込んではダメなのでは?

「ギャラクシー街道」で
僕がいちばん理解できなかったのが
"昆布"のくだりです。

どんな場面かというと、

いまにも子を出産しようとするメンデス。
だが滑りがわるく子供が出てこない。


医者は
「昆布のヌルヌルがあれば生まれやすくなる!
昆布は置いてないのか!」
と叫ぶ。


そこで一同は
ギャラクシー街道には
思い出を具現化する力がある
ことを思い出す。
誰か昆布の思い出はないのか!


レイ「わたし……昆布の思い出があるわ!」
驚く一同。


「子供のころ、海で溺れかけたとき
昆布が助けてくれたの!」


するとたちまち
周りにたくさんの昆布が現れた!
こうして無事に
メンデスの子供が生まれたのであった……


自分で書いてても意味不明で気持ち悪いわ


いや、意味不明なのはいいんですよ。
ナンセンスギャグっていうジャンルがあるんだから
お話が支離滅裂なのは別にいい。

ただやっぱり"見せ方"ってのは必要で、
昆布のシーンだけが
妙に舞台演劇的なんですよね。

昆布が明らかに作り物な見た目で、
スクリーンの奥で起きている
現実って感じがまったくしない。

これが舞台劇だったら、
怒涛のナンセンス展開も
ちゃっちい昆布も全部許せて、
拍手喝采、大爆笑なのかもしれないけど。

大きなストーリーらしきものはなく、
細かなエピソードが集まってできてる
「ギャラクシー街道」の
貴重なクライマックスシーンがこれでは……
と頭を抱えてしまったのでありました。


……と、
全体的に残念なできの
「ギャラクシー街道」でしたが
キャプテンソックスの場面だけは
声上げて笑えました。

三谷監督、いずれぜひ
キャプテンソックスを主人公にした
スピンオフ作ってくれませんかね??

締めのひとこと

T.M.レボリューションの歌はよかったね!

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