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【無料あり】「へレディタリー/継承」のあらすじ・感想・考察。10年に1度の傑作カルト・ムービーにひれ伏せ!【後半ネタバレ】

と、と、と、
とんでもない映画を観てしまいましたああ!

今年最恐のホラー映画との呼び声も高い
「へレディタリー/継承」
を鑑賞してきました。

プレミア上映されたサンダンス映画祭では
「怖すぎる」
「どうかしてる」
と話題騒然となったこの映画、
はたしてどんな内容だったのか!

前半はネタバレなし、
後半はネタバレ有りで
感想を書いていきます。

10点満点中10点

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「へレディタリー/継承」の予告編・あらすじ

www.youtube.com
(出典:https://www.youtube.com/watch?v=CJZ52uRt8tQ)

ミニチュア職人のアニーは、
夫のスティーブ、
息子のピーター、
娘のチャーリーとともに
森の中の家で暮らしている。

母親のエレンが
3年に渡る介護の末に亡くなり、
葬儀をあげることとなった。

その直後にアニーは
仕事部屋でエレンの幻を目にし、
得体の知れない不安を感じる。

またスティーブのもとには、
エレンの墓が何者かによって掘り返された
との一報が入っていた……

しだいに情緒不安定になっていく
自身を案じたアニーは、
家族を失った人々のための
カウンセリングに参加する。

押しこめていた言葉を
発露させる場所を手に入れ、
一時期は平穏を取り戻したアニー。

しかし家族にさらなる不幸がふりかかり、
アニーはますます追い詰められていく。

怪現象の正体は何なのか?
エレンが最後まで
家族に隠していた秘密とは?

「へレディタリー/継承」の登場人物・キャスト

アニー: トニ・コレット
ミニチュア造形作家。
母・エレンの死をきっかけに
様々な怪現象に悩まされる。

エレンを含めて
家族に精神疾患の患者が多く、
自分自身や子供にまで
同じ病気が遺伝するのではないかと
心配している。

スティーブ: ガブリエル・バーン
アニーの夫で医師。
明言はされないが精神科医と思われる。

次第に正気をなくしていく
アニーを案じるものの、
彼女の言葉には真剣に耳を貸さない。

ピーター: アレックス・ウルフ
アニー夫妻の長男で高校生。
学校やパーティで
ドラッグに手を出すなど、
素行はあまりよくない。

チャーリー: ミリー・シャピロ
ピーターの妹。
不思議な絵を描いたり
時折視線が定まらないなど、
奇妙な行動をすることがある。
ナッツアレルギー持ち。

ネタバレなし感想。恐ろしくて怪しくて、狂気の塊!!

「へレディタリー」は、
ただのホラー映画ではありません。

容赦なく精神を削ってくる
ホラー映画であると同時に、

家族に降りかかる
災厄の元凶を探る
ミステリ映画であり、

斬新な悪夢的イメージが
次々に呈示される
アートフィルムでもあるのです。

「へレディタリー」の怖さの質は、日本の恐怖映画にかなり近い。

目に見えないものの気配とか、
暗闇の奥に何かがいる感じとか。

こちらの第六感に訴えかけてくるような
恐怖演出が非常にうまいんですよ。

特筆すべきは"音"の使い方ですね。
映画の中では、ある何気ない音が
印象的に使われているんですけど……

どうってことない音が
こんなに恐ろしく聞こえるとは!
と驚かされます。

ホラーの影に隠れたミステリ要素もこれまたおもしろい!

エレンの遺品や
過去の人間関係から、
彼女が抱えていた秘密が
次第に明らかになっていく過程は
スリリングのひとこと。

そこに「エクソシスト」を思わせる
オカルト要素が絡んできて、
物語は予想もつかない方向に
転がっていきます。

またこの映画、
初見では気づかないほど
さりげない伏線のかたまりなんです。

もう一度鑑賞すると
「あーっ!あのシーンはここにつながってたのか〜!」
って理解できる場面がたくさんあります。

ぜひとも、
怖いのを我慢して2回は観てほしい!
(ちなみに僕はちゃんと映画館で2回観ました。褒めてくれ)

さらに、
覚めない悪夢のなかにいるかのような印象的なモチーフ
が映画をいろどります。

おぞましいのと同時に、
不思議と高貴さや芸術性を感じるんですよね。

特に後半15分の畳み掛けはすさまじく、
「エクソシスト」での
階段を降りてくる少女くらいの
衝撃がありました……

2018年の洋物ホラー映画といえば
「クワイエット・プレイス」が
すでに話題となりましたが、
もうね、そんなの目じゃないっす。

「へレディタリー」が軽々と
今年ナンバーワンホラー映画の
称号をかっさらっていきました!

ぜひとも映画館で
この恐怖と狂気を味わってくださいませ〜〜!!
hereditary-movie.jp


以下、ネタバレあり

ネタバレありの内容考察。エレンは一家に壮大な呪いをかけていた!

さて、ここからは
「へレディタリー」の具体的な
内容に触れながら、
映画の考察をしていきましょう!

まず映画そのものを要約すると、
お話全体が
「地獄の王・ペイモンを召喚するための壮大な儀式」
だと捉えることができます。

つまり……
「エレンはペイモンをこの世に呼び出す目的のために、彼女の娘と孫を利用した」
という恐ろしい話なんですよ。


チャーリーは生まれたときからすでに悪魔だった?

ラストシーンで
ジョアンが話している内容をまとめるとこんな感じです。

  • エレンは、地獄の王・ペイモンを崇拝する秘密結社の一員だった。
  • ピーターの中にはチャーリー(=ペイモン)の魂が入っている
  • ペイモンは男性の体を必要とするので、ピーターの体を利用した。

最後に
「チャーリー、あなたはペイモン」
とジョアンが語りかけていることから、
チャーリーの魂はそもそも悪魔だった
と考えるのが自然です。

エレンはなんらかの魔術によって、
アニーにペイモンを身ごもらせることに成功した。

でもペイモンは男性の体を
必要とするにもかかわらず、
実際には女の子が生まれてしまった。

召喚は不完全に終わったわけです。

だから、エレンは
「チャーリーが男の子ならよかったのに」と言ってたんですね。

計画が達成されなかった組織は
次の手段として、
チャーリーの魂を
男性の肉体に移すことを考えます。

そのための肉体として選ばれたのが、
若く健康な男性であるピーターだった。

教室の窓ガラスに鳩が激突した際、
チャーリーだけが
まったく動揺していないところにも、
彼女がペイモンである証拠を見て取れます。

彼女には何が起こるか
察しがついていたということでしょう。

ためらいなく鳩の首を
切断しているのも、
自分が何をすべきか
理解しているからだと思われます。

チャーリーの死はすべて組織の仕業だった

ピーターがパーティーに向かう
途中の場面で、
事故現場となった電信柱の側面に
組織のマークが描かれている
のがわかります。

つまり、あの事故も
組織の計画の一部だったんですね。

アニーがピーターに、
チャーリーを連れて行くように言ったのも……

ナッツケーキを食べて、
チャーリーが呼吸困難を起こしたのも……

道のど真ん中に犬の死体が置かれていて、
ピーターが急ハンドルを切ったのも……

すべてが組織によって仕組まれていたんです。

チャーリーの魂を移しかえるってことは、
一旦は体の外に出さなきゃいけない
つまり死ななきゃいけないってことなんでしょう。

この組織は人の運命を
あやつる術をもっているようです。

アニーがジョアンに連絡を取る場面で、
彼女がジョアンのことを思い出したきっかけは、
絵の具の瓶を倒してしまったことでした。

ところが、
絵の具の瓶は勝手に倒れているんですよ。

なんらかの超自然的な力で
倒されたってわけです……

たびたび登場する謎の光はなに?

怪現象が起こる直前に現れる光の輪。

最初に登場するのは、
部屋で鳩の首とたわむれている
チャーリーの場面です。

ここでの光の輪はエレンで、
チャーリーに鳩の首を持ってこさせたのだと思います。

鳩の首はなんらかの方法で
組織の手に渡ったはずです。

なぜならチャーリーは
この晩に事故で死んでしまうので、
その後では鳩の首を取り戻すチャンスがないからです。

その後も光の輪は
ピーターの前に何度か現れますが、
これはチャーリーですね。

「コッ」っていう舌打ちが
聞こえることからも明らかです。

依代となる肉体を得るべく、
チャーリーがつけ狙っていたのだろう
と思われます。

チャーリーに笑いかけていた人たちは誰?

劇中、チャーリーに
ニヤリと笑いかけていた
意味深な人々がいましたね?

ひとりは、
葬式の場面で棺の横に立っていた背の高い男性。
もうひとりは、
小学校の外で手を振っていた中年女性です。

彼らもまた、エレンの秘密結社のメンバーでした。

ちょっと気づきにくいですが、
彼らはラストシーン近くで再登場してるんですよ。

男性は、
ピーターが憑依されたアニーに
追いかけられる直前、
部屋の奥に立っていました。

女性はといえば、
ピーターが屋根裏部屋に逃げ込んだ際に
現れた3人の男女の左端で、
同じように手を振っています。

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