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【ネタバレなし】映画「ピーターラビット」のあらすじ・感想。ほとんどヤクザ映画だろこれ!

世界一有名なウサギと言っても過言ではない、
あのキャラクターを映像化した作品
「ピーターラビット」
を鑑賞してきました!

ニュージーランドの先行上映会で、
観客の多くは子供連れ。
しかもまだ幼稚園に通ってると思われる、
小さなお子さんを連れた家族が多かったです。

この光景を見て、
僕はしょーじきかなり心配でした。

というのも……
「ピーターラビット」は全然子供向けじゃない
という評判をチラチラ聞いてたからです。

はたしてこの家族はみんな気持ちよく帰れるのだろうか……
と不安を抱きながら観てきました。

めちゃめちゃ教育に悪い映画でした。
こんなの子供に見せたくねぇ!!
公式サイトのほんわかキュートなイメージにつられて
映画館に行くと見事に裏切られるぞ!!

今回はネタバレなしで感想書きます!
その前にあらすじと基本情報をどうぞ〜。

10点満点中4点

「ピーターラビット」のあらすじ・基本情報

【あらすじ】
ロンドンから離れた田舎町に住む
ウサギのピーター。

森の動物の仲間たちや、
画家のビアなどの友人に囲まれて
毎日楽しく暮らしていた。

ところがある日、
都会出身のトーマスが隣に引っ越してきた!
動物嫌いのトーマスは
あの手この手でピーターたちを
追い出そうとしてくる。

さらに、ビアとの恋を巡る争いまで勃発してさあ大変!
ピーターたちの平和な日常は、
いったいどうなってしまうのか……?


【基本情報】
監督: ウィル・グラック
出演: ジェームス・コーデン、ローズ・バーン、ドーナル・グリーソン、マーゴット・ロビー、サム・ニール
上映時間: 95分

ネタバレなし感想。ウサギと人間が土地と女の奪い合い!!

公式サイトの作りを見ると
「美しいイギリス湖水地方を舞台に動物たちが繰り広げるほんわか喜劇」
みたいな印象ですが、実際はまったく違います。

「ピーターラビット」は、
ウサギと人間が土地と女を奪い合う、ほとんどヤクザ映画みたいな作品です。

物語は、ピーターたちが
隣に住むマグレガーじいさんの畑から野菜を盗み出すシーン
から始まります。

……はい、この時点で
「ピーターラビット」は泥棒集団の話である
ことが確定しました。

ウサギたち、
見張りを立てたり、
マグレガーじいさんの動きを実働部隊に伝えたり、
めちゃめちゃ泥棒慣れしている。
かわいい顔してるのに見てて腹立ちます。

それからマグレガーじいさん、
いかにも悪役って感じの面構えなんだけど、
一生懸命育てた野菜を盗まれたら誰でも怒りますって。

ピーターラビットたちは
「人間から迫害されるかわいそうな動物」ではなく、
「他人の所有物を自分のものかのように勘違いしている、常識の通じないやつら」
なんですよ。

完全にヤクザやんけ


で、とある事情でマグレガーじいさんがいなくなってしまった後、
彼の屋敷を引き継ぐためにやってきたのがトーマスなんですね。

百貨店ハロッズで働く彼は、
潔癖症とも言えるほどのきれい好き。
「トイレは水が飲めるほどきれいに磨け!」がモットーで、
便器の水を実際に飲もうとするシーンでは劇場から悲鳴が。

ちなみにトーマスを演じてるのは
「スター・ウォーズ」続三部作のハックス将軍でもある
ドーナル・グリーソン。

外面は善人なのに
中身がぶっ飛んでるあたりが
堺雅人みたいで僕は大好きです笑

話は横道にそれましたが……。
つまり、トーマスがピーターたちの隣にやってくることについて、何も悪い部分はない。
畑を荒らすピーターたちを追い出そうとするのも正当なことです。

でもピーターたちの言い分はといえば、

ちぇー! せっかくマグレガーの屋敷で毎日パーティーして、畑の野菜も食べ放題だと思ったのによ! しかもビアといい感じになってるし、なんだあいつ!!

こりゃ救いようがねぇわ

死人が出ないのが不思議なくらいバイオレンス。「全員自己中」な映画!

大丈夫かよってくらい暴力描写が多いのも「ピーターラビット」の特徴です。
高圧電流でビリビリいかされるわ、
ダイナマイトは爆発するわ、
えげつないトラップ合戦が繰り返されます。

ほんとはギャグだと思うんですけど、
そのどれもが本気で相手を殺しにかかってるんで、
あんまし心の底から笑えないんですよ。

Twitterで
「子供も観られるアウトレイジ」
ってつぶやいてる人がいましたが、まさにそれです。

でもね〜 「アウトレイジ」ほどスッキリしないんだよね、この映画。

「アウトレイジ」は各々の私利私欲がぶつかりあって、
一番悪い奴が最後に生き残る展開が痛快だったけど、
「ピーターラビット」はピーターだけが私利私欲を丸出しにしてトーマスを追い出しにかかる映画だからね。

はっきり言って、
ピーター側になんら同情できる要素がない。
まぁお父さんを人間に殺されて
パイにされたのはかわいそうではあるけど、
トーマスからしてみれば無関係だし、とばっちりでしょ。

おまけに、登場人物が私利私欲を押し通すって展開が最後までずーっと続くのよ。

「アウトレイジ」が「全員悪人」なら、
「ピーターラビット」は「全員自己中」です。
そんな映画、子供に見せられる?

僕は無理だね

ご機嫌な音楽に動物たちの楽しいダンスパーティ、
にやりと笑えるギャグなど、
楽しい映画になる要素はたくさんあったはずなのに、
おかしなストーリーのおかげで全部台無し
という不思議な映画でした……。

ひょっとすると、
子ども向け映画というフォーマットじゃなければ
傑作だったかもしれないなぁ。

次回作があるとすれば、
途中で2、3人は犠牲者が出る
本気の殺し合い映画にすればいいんじゃないでしょうか(適当)。

日本での公開は5月18日。座して待て!!

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