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【後半ネタバレ】映画「レディ・プレイヤー1」のあらすじ・感想。「劇場がテーマパークに」のコピーに偽りなし!

スティーブン・スピルバーグ監督の最新作、
「レディ・プレイヤー1」
を観てきました!!

ニュージーランドでのイースター4連休の初日、クライストチャーチで一番大きなスクリーンで鑑賞。
客席の入りは7割程度と思ったより多くなく、こりゃひょっとしてハズレを引いたのかと思っちゃいました。

しかし!!
フタを開けてみれば娯楽映画の大傑作でした!!!

前半はネタバレなし、後半でがっつりネタバレに触れながら感想書いていきます。
まずはあらすじと基本情報をどうぞ〜。


10点満点中7点

【あらすじ】
西暦2045年。
人々の多くは「オアシス」と呼ばれる仮想現実(VR)の世界に入り浸るようになっていた。

現実ではさえないオタクであるウェイドも、オアシスの中では「パーシヴァル」と名乗り、かっこいいアバターに変身してVR世界を楽しんでいた。

ある日、オアシスの開発者であるジェームズ・ハリデーが亡くなり、彼からのメッセージが公開された。
オアシスに隠された3つの鍵を探し出し、イースターエッグを見つけ出すことができた者には、オアシスの所有権とハリデーの莫大な遺産が与えられるという。
このゲームは「アノラック・ゲーム」と呼ばれ、世界中のプレイヤーが参戦するムーブメントになっていく。

ウェイドもアノラック・ゲームに夢中になるが、イースターエッグを狙う大企業が大量にプレイヤーを送り込むなど、ゲームは戦争さながらの様相を呈しはじめ……。


【基本情報】
監督: スティーブン・スピルバーグ
出演: タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン、マーク・ライランス、サイモン・ペグ
上映時間: 140分

ネタバレなし感想。大人も子供も楽しめる「VRゲーム実況映画」!

「レディ・プレイヤー1」は、ひとことで言ってしまえばゲーム実況映画です。
主人公たちが与えられたミッションをクリアし、謎を解き、「アノラック・ゲーム」の真相に近づいていく様子を楽しむ映画。
その意味では「ジュマンジ」と似てて、ゲームがおもしろければおもしろいほど、プレイヤーの腕がうまければうまいほど、映画もおもしろくなる。

「レディ・プレイヤー1」で出てくるゲームは観てて超おもしろいの!
第1の鍵を探すためのレーシングゲームからもうテンションぶち上がりですよ。
ニューヨークの風景が奇妙に歪んでレースコースになり、トラップだらけの危険なレースがスタート!
コロコロコミックのミニ四駆マンガみたいな展開になるかと思いきや、そこは「オアシス」なんでもありで、脈絡なくあの映画のあんなキャラやこんなキャラが妨害に出てくるし、観てて全然飽きない。

140分と割と長めの上映時間なのに、それがまったく気にならないんですよ。

有名映画・アニメ・ゲーム・音楽てんこもり! お祭りみたいな映画だ!!

「レディ・プレイヤー1」は、あらゆる部分で20世紀ポップカルチャーへのオマージュを捧げたお祭り映画です!

まずはなんといっても、国境や版権の壁を越えて大集結した人気キャラクターの数々!
予告編だけでも「ストリートファイター」の春麗や「機動戦士ガンダム」のガンダム、アイアンジャイアントといった有名キャラクターが多数確認できます。
そしてクライマックスでは、「xxxx 対 xxxxx」という夢の対決が待っています!!
いや〜、こんなオールスター大感謝祭みたいな映画、よく作ってくれましたよ、しかもハリウッドで。

そして、音楽も70年代〜80年代ポップミュージックを盛大にフィーチャー。
ヴァン・ヘイレンの「Jump」、ビージーズの「Stayin' Alive」、さらにコスチュームのみの出演ですが、マイケル・ジャクソンデュラン・デュランなどなど……。
いまどきのお父さんお母さん世代、いや、おじいちゃんおばあちゃん世代が思わず興奮してしまう選曲となってます。

ゴールデンウィークに家族そろって映画を観に行くなら「レディ・プレイヤー1」うってつけですよ!
子供が楽しめるストーリーなのはもちろん、大人たちも昔自分たちがワクワクしながら遊んだあのゲーム、すり切れるほど聴いたあのレコード、デートで行ったあの映画なんかの思い出に浸れる。
で、帰りに「あのキャラクター出てたね!」「あのマシンはもしかして……」とか、わちゃわちゃ盛り上がればいい。どうこれ?

完璧なお出かけプランじゃね?


映画内の仮想現実がひたすらに楽しい! ずっと観ていたくなる

「レディ・プレイヤー1」の大きなテーマとなっているのが「VR(仮想現実)」
VRが秘めた楽しさをバリエーション豊かに見せてくれるのが非常に楽しい!

予告編で確認できるのは
・ニューヨークの風景にキングコングが現れる
・完全に現実世界とはかけ離れたファンタジー世界でバトルができる
くらいのものですが、本編ではもっと楽しいVRの世界が登場します。

僕が一番驚いたのは、主人公たちが第2の鍵を探すために入りこむ世界。
ある有名な映画をモチーフにしたVR世界で、観た瞬間に「えええ〜っ まじで!?!?!?」と思わず声を上げてしまったほど!!


映画を観て本気でびっくりしたのは久しぶりだよ!!


事前情報を避けたい人のためにリンクにしておきますが、この映画だけは予習して行った方が、「レディ・プレイヤー1」を10倍楽しめますよ! (リンクを押すとAmazonに飛びます)
特に、普段あまり映画を観ないという人ほどチェックしておくのをオススメします。

また、劇中で登場するVRグッズがどれも「ありそう」な感じするんですよ。
VRゴーグルをはじめ、触覚を伝えるグローブや、全身に感覚を伝えるスーツなど。
しかもこのスーツが実に高そうなのがいい笑
パッケージもすごく「ありそう」だし。
これからどんどん VR が一般的になっていくと、こんな世界が来るのかな?ってことを予感させる映像になってます!

ただ、最後に提示される「VRにみんなが没頭するのはいいことなのか?」という問いへの答えが、どうも腑に落ちませんでした。
映像体験としては100点満点の文句なし、しかし物語の決着にだけ不満ってことで★4つの評価としております。
詳しくは鑑賞後に、後半のネタバレあり解説をお読みくださいませ。


……とはいえ「レディ・プレイヤー1」、難しいことは抜きにして今年のゴールデンウィーク映画として間違いなくオススメ!です。
なるべく大きなスクリーンにいい音響のそろった映画館で、家族そろってぜひどうぞ!
日本での公開は4月20日です。

みんな絶対映画館で観てくれ〜! なるべく大きなスクリーンでな!


以下、ネタバレあり


ネタバレあり感想。VR映画としてものすごかった!

いやーみなさん、「VRシャイニング」すごかったですよね!!
新旧の映画・アニメ・ゲームキャラクターが一堂に会する展開ももちろん楽しかったけど、個人的に「レディ・プレイヤー1」のハイライトは間違いなく「シャイニング」!

映画内映画として「シャイニング」を鑑賞することになるのかな? と思いきや、まさか「シャイニング」の世界にそのまま入りこんでしまうなんて……。
あの大階段、双子の少女の幽霊、エレベーターから吹き出す大量の血、バスルームに現れる女の悪霊、そして雪の迷路。
まったくの映画そのままじゃなくて、最後は女の悪霊や巨大な斧が迷路の中を襲ってくるっていう、ゲーム的な演出があったのもよかった!

もうひとつVRの使い方でうまいな〜と思ったのは、ソレントをオアシスの中に置いたまま、現実世界に戻ったと勘違いさせるってストーリー。
これ、VR社会が到来したら実際にあり得そうな話ですよね。
今観ている映像は本物なのか、虚構なのか……。

仮想現実ってまったくのファンタジー世界に入りこむようなイメージが強いけど、「特定の世界を現実として用意する」ってことなんだよね。

新旧の人気キャラクターが入り乱れる、夢の対決!

おれはガンダムでいく!!!
(2018年流行語大賞候補)


まさかハリウッド映画で「ガンダム vs メカゴジラ」が観られるなんて思わなかったよ!
著作権の問題で断念したそうですが、原作ではアイアンジャイアントの代わりにウルトラマンが登場するんですよね。

つまりあのシーンは、ほんとは「ウルトラマン & ガンダム vs メカゴジラ」でもあるんです。

日本のポップカルチャーが全世界のスクリーンで大暴れするなんて、そんな夢みたいな企画ある!?!?
各方面に著作権の調整をつけて映画を実現させたスピルバーグ監督に心から感謝です。

もちろん日本のキャラクターだけじゃなくて、「チャイルドプレイ」のチャッキーや「エルム街の悪夢」のフレディ、「バックトゥザフューチャー」のデロリアンなど、ハリウッド映画からのゲスト出演もたくさん!
映画を愛する人間にはたまらない一作になっていました。

現実から逃れてVRに没頭するのはいいことなのか?

主人公をはじめ、「レディ・プレイヤー1」の世界の人々はみな現実世界よりもオアシスにのめり込んでいます。
学校でもオフィスでもゴーグルをかけてる人がいるし、オアシスに入りこんだまま現実の街を走り抜けたり(さすがに危ないと思うぞ)。

予告編でもパーシヴァルが「僕はオアシスで愛を見つけたんだ!」みたいなことを叫んでますし、この世界ではもうオアシスの中で暮らした方が楽しいって思ってる人が多数派のようです。
「現実から離れて一日のほとんどをVR世界で過ごすのは、はたしていいことなのか?」という問いは「レディ・プレイヤー1」の大きなテーマになっています。

結局は「毎週2日はオアシスを停止します! リアルの生活を大事にしようね!!」という教科書的なエンディングだったわけですが。

僕は正直、この終わり方は中途半端で考察が足らないな〜と思いました。

たとえば、現実世界では寝たきりだけどオアシスの中では自由に飛び回れるって人もいたと思うんですよ。
リアルはリアルだから大事だなんて、答えになってないでしょ。
VRの重要な役割は、それぞれに生きやすいリアルを提供するところにもあると思います。
個人個人が好きな世界を選んで、そこを現実だと認識してればそれでいいんじゃないですかね。

仮想現実よりリアルが大事っていう価値観の転換は、ヒロインであるサマンサの顔の映し方にも表れてました。
彼女は顔の右側に大きなアザがあり、最初はそれを髪の毛で隠しています。
ウェイドとふたりきりになるシーンでも、顔の左側しか映りません。
でもラストでは、アザが観客に見えるように右側を映すようになる。

ついにサマンサも現実世界の自分を受け入れられるようになったのだ……
と、言いたいことはわかりますが、そう気にするほどのアザでもなかったと感じるのは僕だけでしょうか?
なんなら、ウェイドは割ともっさりしたオタクって感じだったのに、サマンサはふつうにかわいいし……。
どうせならもっと普通の外見の女の子をヒロインにした方が「リアルの姿に自信をもっていいんだ」ってメッセージが伝わったんじゃないかなぁ。

「レディ・プレイヤー1」の不満があるとすればこの部分だけ。
あとは隅から隅まで大満足の映像体験でした!!

「レディ・プレイヤー1」をもっと楽しむための関連作品!

「ゲームウォーズ」(上・下)

「レディ・プレイヤー1」の原作となっている小説が「ゲームウォーズ」
映画と同じく、80年代〜90年代ポップカルチャーへの愛がぎっしり詰まったおもちゃ箱のような作品です。
同じ時代のアニメや映画、音楽やゲームなどにひたって育った人にはたまらないでしょう!

「シャイニング」

「レディ・プレイヤー1」最大のサプライズであった「VRシャイニング」のすごさを本当の意味で楽しむなら、本家「シャイニング」も要チェックです!
吹雪に閉ざされたホテルを舞台に、小説家志望のジャックが次第に精神をむしばまれていく様子が生々しく描かれます。
「レディ・プレイヤー1」に登場したシーンがどれくらい忠実にオリジナルをなぞっていたかチェックしてみるとおもしろいですよ〜。

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*1:2018年4月現在

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