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【無料あり】「ラヂオの時間」あらすじ・感想。三谷幸喜によるハートウォーミングコメディの傑作!【ネタバレなし】

今の日本を代表する
コメディ映画監督・三谷幸喜!

彼が最初にメガホンを取った作品
「ラヂオの時間」
紹介します。

あの話題作
「カメラを止めるな!」にも
多大な影響を与えたという、
ハートウォーミングコメディの
傑作です!

10点満点中7点

「ラヂオの時間」の予告編・あらすじ

www.youtube.com

とあるラジオ局で、
生放送のドラマ「運命の女」が
始まろうとしていた。

脚本を手掛けた主婦・みやこは
興奮を隠せずにいる。

ところが放送直前、
主演女優・千本のっこのワガママで
ドラマの舞台が
熱海からシカゴに変更されてしまう。

プロデューサーの牛島、
ディレクターの工藤など
スタッフ達はなんとか立て直そうとするが、
元の脚本からどんどん話がズレていく。

果たして無事に
生放送は終えられるのか?

「ラヂオの時間」のキャスト

工藤学: 唐沢寿明
番組ディレクター。
最初はみやこに冷たい態度を取っていたが、
番組を無事着地させるため
次第に彼女へ協力していく。

鈴木みやこ: 鈴木京香
ラジオドラマ「運命の女」の
脚本を手掛けた主婦。
俳優たちのワガママに
不満をつのらせていき……

牛島龍彦: 西村雅彦
放送責任者であるプロデューサー。
俳優やスポンサーなど
各方面に顔を立てようとするあまり、
番組がどんどんおかしくなっていく。

千本のっこ: 戸田恵子
ドラマの主演女優。
今回の混乱を引き起こした張本人。

浜村錠: 細川俊之
ドラマの主演俳優。
千本のっこのワガママから対抗心を燃やし、
さらなる混乱の引き金を引いてしまう。

伊織万作: 藤村俊二
ラジオ局の守衛。
何やら訳ありの過去がある様子。

大貫雷太: 渡辺謙
ラジオを聴いているトラック運転手。

「ラヂオの時間」の感想

ものづくりに関わる、
すべての人の悲喜こもごもを
笑いに変えているのが、
「ラヂオの時間」という映画です。

あらすじで紹介したとおり
せっかく書いた脚本が
様々な事情でめちゃくちゃになる
というのが大筋なのですが、

その裏側には

  • スポンサーに気を使わなければいけない現実
  • ひどい作品のためにも仕事をこなす滑稽さ

などのテーマが見て取れます。

「ラヂオの時間」はもともと
三谷監督自身が、
勝手に脚本を書き換えられた経験から
生まれた作品とのことで、
実体験が大いに反映されていそうですね。

僕も本業はプログラマなので
ものづくりに関わる人間のひとり。

中盤である人物が語る
「納得いく作品ができることなんてほぼない。
それでも、いつか納得いく作品ができると信じている」
とのセリフには
大きく胸を打たれました。


もちろん、それまで散々笑ってるからこのセリフが響くんだよね


ラジオ局の中だけの話なのに、壮大なスペクタクル!

映画の冒頭で、
プロデューサーの牛島が
ラジオドラマの素晴らしさについて
熱弁する場面があります。

「ラジオなら、
アナウンサーがひとこと
『ここは宇宙』と言うだけで
宇宙になっちゃうんですから」

言葉の力だけで、
無限の世界を作り上げることができる
ラジオドラマ。

そして劇中で演じられるラジオドラマも、
言葉の力によって
当初の脚本からかけ離れた
大スペクタクルになっていくんです!

一切映像では描かれないのに、
いつの間にか観客の頭の中には
壮大な世界が展開される。

この仕掛けが、クライマックスの
大きな感動につながります!


余談ですが、英語版のタイトル「Welcome back, Mr. McDonald」ってカッコいいわ

完璧なエンドロール! 最後の一瞬まで楽しい映画

思わず笑みがこぼれる
ゴキゲンな音楽に、
舞台のカーテンコールを
思わせる出演者紹介。

「ラヂオの時間」は、
最後の一瞬まで
「いい映画を観たな〜〜!」
という余韻を与えてくれます。

スタッフロールが流れきる瞬間まで
映画の世界を楽しんでください!


正直、ツッコミどころはめちゃくちゃ多い

……と、かなり褒めたあとで恐縮ですが、
「ラヂオの時間」のお話には
ツッコミどころがかなりあります。

最大の疑問は
ほんとにこの生放送
上手くいったのか?
ってところですね。

ラストではいかにも
「いろいろあったけど
いいお話に着地したね!」
みたいな雰囲気になってましたが、

実際には

  • 登場人物にプロ野球ニュースを読ませる
  • CMやジングルを連発して場をつなぐ

など、
明らかに放送事故だろ
と言える状況なはずです。

また、劇中で何度も
「効果音がない!」という
理由で話が中断しますが、
冷静に考えると
そんなに大事ですかねソレ……

まぁぶっちゃけ言うと、
おそらく三谷幸喜監督自身、
ラジオドラマの筋書きそのものには
あまり興味がないと思うんですよね。

冒頭のリハーサルシーンで
セリフが少し流れますが、
その内容がこんなの。

「これは終わりじゃない。
終わりの始まりでもない。
始まりの終わりなのさ。」


なんじゃそりゃ


めちゃくちゃ真面目に作ったはずの
ラジオドラマがどんどん壊れていく
ところに面白さがあると思うんですが、

実はそもそもの脚本が
真面目に書かれていないんで、
ちょっとモヤモヤするんですよね。

そして、
このモヤモヤを見事に解消した
正当進化系とも言えるのが
2018年に大ヒットした
「カメラを止めるな!」なのです。

【無料あり】映画「カメラを止めるな!」のあらすじ・感想。映画にかかわるすべての人への讃歌だった!【後半ネタバレ】 - モヤシネマ
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「ラヂオの時間」を観たあとに
「カメラを止めるな!」を鑑賞すると、
また違った感動がありますよ!


「カメラを止めるな!」の宣伝になっちゃったけど、まぁいいや笑

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